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2015年に向けて [農村だより2013]

12月28日(土)午前

 官庁は昨日が御用納め、民間企業も大半が仕事納めで、年末年始の長いお休みが始まりました。我々のような酒造会社は、年末年始も関係なく酒造りの作業が続きますので、正月のお休みというのはピンときませんが、それはそれとして、今日は来年を飛び越して、2015年の予定について書いてみます。

 漠然とした構想はかなり以前から持っていましたが、老朽化した酒蔵の建物について、ここ数年の豪雪で屋根雪おろしがかなりの負担になっていたため、建物の移設を具体化することにしました。まだラフなデザインの段階ですが、実行に向けた動きが始まりました。

 目標は2015年春の着工です。施設は「出荷管理棟」で、現在の機能を新たに建設する建物にそっくり移転します。そして、明治元年以来稼働してきた古い土蔵をたたみ、その周辺機能も整理・改修します。

 私たち根知谷の冬というのは、雪との闘いです。時代とともにある程度の機械化や省力化は進みましたが、根本的な改善を図るとなると、建物の更新しかありません。創業以来140年を超える歴史ある建物ですが、すでに耐用年数を超えましたし、それを維持していく負担も増大してきました。

 一大事業なので、そう簡単に取り組めるものではありませんが、できる限りの経営資源を投入して、これからの事業継続に資する建物を建てたいと思っています。そしてそれが、根知谷の米作りから酒造りまでの一連の地域連携・農地保全活動の発信拠点としても機能すれば望外の幸せです。

 来年2014年は準備に費やします。自社保有林の樹齢70年程度の杉林をこの冬に切り出して、建築用材にする予定です。根知谷の木で建物ができたら、お迎えするお客様にも更に楽しんで頂けるのではないかと、今から私自身がワクワクしています。

 どうぞ2015年に向けて、米作りから酒造りまで、そして「出荷管理棟」の建設も同時並行で楽しんで下さい。2013年、ほんとうにたくさんの皆さんに支えられて無事に年末を迎えることができました。厚く御礼を申し上げます。よいお年をお迎え下さい。
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糸魚川地酒の魅力発信実行委員会 [農村だより2013]

12月17日(火)午前

 今月4日に設立総会が地元紙にも掲載されましたが、「糸魚川地酒の魅力発信実行委員会」について、少し書いてみます。そもそもは市長の強い意向で、市役所の交流観光課が中心となって動き始めたのが10月で、短期間に設立準備が進みました。

 糸魚川市、新潟県(糸魚川地域振興局)、糸魚川商工会議所、行政サイドの3者がガッチリ組んで運営のベースをつくり、そこに糸魚川市内の五つの酒蔵と、酒販卸・小売り業者を招集し、さらには一般の地酒愛好家も巻き込む形で、この「実行委員会」なるものが設立されました。

 少し唐突な感じは否めませんが、人口4万人あまりの小さな町に5軒の酒蔵が存在するというのは、他の地域を見ても珍しいとのことで、北陸新幹線の糸魚川駅が27年3月に開業するのを機に、対外的に観光客を呼び込み、交流人口を増やしていこうというのが、今回の「実行委員会」設立の背景にあり、目的でもあります。

 実行委員会は3つの部会に分かれています。魅力発信部会、普及・促進部会、イベント部会ですが、私は魅力発信部会に所属することになり、企画立案、商品開発などを手掛けることになるようです。昨日初めての部会がありました。

 実行委員長、部会長、以下14名が出席して、様々な意見を出しましたが、これから徐々に整理されて、具体的な活動が始まります。ただし、ここでキチンと押さえておかなければならないことは、地元市民においても5つの酒蔵についての十分な情報が伝わっていない現実です。

 なぜこんな狭い地域に5つも酒蔵があり、そしてそれぞれが個性的な酒造りをしているのか。その魅力・面白さとは何なのか。具体的に、リアリティーをもって、まずは地元の皆さんに理解していただく活動が重要です。

 この「実行委員会」の活動期限は平成28年3月末日までです。その後の延長はありそうですが、一応、北陸新幹線開業の前後1年を目途にしています。どれだけの成果を上げることができるのか、手探りで活動が始まりました。是非、糸魚川市民の多くの皆さんにこの活動への参加をお願いしたいと思っております。
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新酒の季節 [農村だより2013]

12月10日(火)午前

 12月に入ってあっという間に10日になりました。新酒しぼりたて生酒の「雪見酒」を5日から出荷していますが、やはりこの時期は「新酒」ですね。ワインに「ヌーヴォー」があるように、日本酒にも新酒の季節があります。ただし、あまりにも早い時期の新酒にはちょっと違和感もありますが。

 なぜかというと、例えば新潟県では早生品種の五百万石の収穫は9月中旬までかかりますので、新米で新酒を仕込むと最短でも10月下旬にお酒がしぼられます。でも、9月から10月にかけてはまだまだ暖かい天候ですから、酒造りには環境がよくありません。

 晩生の品種である越淡麗は9月下旬の収穫ですから、お酒になるのは早くて11月中旬でしょうか。新酒しぼりたて生酒が酒蔵から出てくるのは、やはり山に雪が降るようになってから、というのがいいタイミングです。

 日本酒は「米」の酒ですから、遠くから運んでくることができます。はるばる九州から原料米を仕入れて、9月から酒造りをするような酒蔵では、10月に新酒が売り出されますが、なんかちょっと違う感じがしてしまいます。

 ペレットストーブのことでも考えましたが、我々日本酒の生産者もなるべくエネルギー消費を抑える努力が必要な時代だと思います。遠くから原料を運ぶために燃料を使い、冷房・冷却に膨大な電力を使うような酒造りは、ほんとうにそれでいいのか真剣に考え直す時期に来ています。

 ワインの世界では、単に液体のクウォリティーだけでなく、その製品ができる過程すべてを評価する時代に変わってきているそうです。なるべく石油を使わない、なるべく電力を使わない、そして品質の高いワインを生産する。買う側の人たちが生産者のそうした姿勢を評価するのだそうです。素晴らしいですね。

 是非、日本酒の世界にもそうした取り組みが広がってほしいものです。酒蔵はもちろん、流通・サービスの関係者、そして一般のお客様にもそうした認識を一日も早く共有して頂ければ幸いです。
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消滅を避けるためには [農村だより2013]

11月11日(月)午後

 今日は一気に寒くなり、冷たい雨が降っていますが、夜には雪に変わりそうです。農作業が終わってからは、静かな田舎ですが、このまま高齢者が離農し過疎化が進めば、地域は消滅するということを、中央でも真剣に考えてもらえるのか。増田寛也、元総務相の寄稿を全文掲載します。

 11月10日付 毎日新聞 「時代の風」から。・・深刻な人口減少・・地方分散の国土政策を・・人口減少が頭から離れない。急速な少子高齢化により現行の社会保障制度の維持が困難なことは明白であり、制度の抜本的改革が必要である。しかし、事態はもっと深刻で、過疎の町村から消滅が始まり、やがて大都市、ひいては国の存立そのものが問われるとの危惧である。2020年の東京五輪開催は日本の将来像を構想するチャンスを我々に与えた。これを10年、20年先の将来像にとどめるのではなく、長期の人口動態を見据えた国のあり方についてもう一度考え直す機会にすべきだと思う。
 一昔前、全国総合開発計画(全総)が華やかなりし頃は、多くの国土政策論が唱えられた。しかし、東京一極集中から多極分散を図る政策はことごとく失敗し、全総自体もインフラ整備に偏り過ぎた。議論を主導した国土庁は国土交通省の一部局になり、議論は下火となってしまった。深刻な人口減少問題を目の前にして、今ここで新たな国土政策が必要と思うのである。

 日本の合計特殊出生率は2005年の1.26以降反転し、12年は1.41となった。しかし、「第2次ベビーブーム世代」の最後はすでに39歳に達し、それより下の世代では女性数は急速に減少している。今後、出生率が少々上昇しても出生数は減少し続け、人口減少は止まらない。低い水準まで下がった出生率を「人口が維持される水準(出生率2.1)まで引き上げるのは難しいが、仮に30年に出生率が2.1になっても人口減少が止まり安定するのは、それから60年後の90年ごろとなる。これまで少子化がもたらす人口減少は、同時進行した長寿化による高齢者数の増大で見かけ上隠されてきた。その高齢者すら、多くの地域では減少する時期を迎え、人口減少の本来の姿が現れてくる。日本の事態の深刻さはここにある。そこで筆者は何人かの研究者とともに国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が本年3月に公表した予測データを用い、地域別の人口動態を分析したが、以下の点が明らかになった。
 第一に、20~39歳という「若年女性人口」が減少し続ける限りは、人口の再生産力は低下し続け、総人口の減少に歯止めがかからない。10年から40年に若年女性人口が5割以上減少する市町村は373.そのうち40年で人口が1万人以下の市町村は243。ここは、その後消滅の可能性が高い。
 第二に、地方から大都市圏への人口移動が戦後3回あった。高度成長期、バブル期、そして00年以降である。この特徴は移動した対象が若年層であり、地方は単なる人口減少にとどまらず、人口再生産力そのものを失い、加速度的に人口を減少させたことである。一方、大都市圏は若者流入で人口増となったが、子育て環境は悪く出生率は低い。東京の現在の出生率は何と1.09である。この結果、人口移動が日本全体の人口減少により拍車をかけた。
 第三に、社人研データは地方から大都市圏への人口移動が将来的には一定程度収束することを前提としているが、私たちは雇用情勢などから実際には収束しないと見ている。たとえば、地方の雇用を辛うじてつなぎ留めている医療介護分野では、今後は高齢者人口が減少するので地方では余剰気味となり、人材不足が深刻化する大都市圏、なかんずく東京圏へ大量に流入する可能性が高い。この前提に立つと、40年に人口が1万人を切り、消滅可能性のある市町村はさらに増加し、523にのぼる。
 第四に、世界的に人口密集地域の出生率は、シンガポール、香港などおしなべて低い。地方が消滅し、東京圏のみが存在する「極点社会」の延長線上には、日本全体の人口減少の加速化が想定される。

 極点社会には大規模災害リスクなどさまざまな脆弱性が生じる。そこで、その回避のためには、子育て施策の充実など出生率向上のすべての対策を総動員するとともに、人口の東京圏への集中に歯止めをかける、地方に着目した政策展開が必要となる。東京圏の機能の分散政策は過去に失敗したが、札幌仙台広島福岡など地方中枢都市に着目し、そこを拠点に新たな地方産業育成を図るなどは検討に値すると思う。このためにも国土政策の議論無しに、小手先の政策の寄せ集めでは通用しないほどの重大な人口減少問題を抱えていると認識するところから始めなければならない。(以上全文)

 根知谷は根知谷で生き残れるように全力を尽くします。
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官邸主導の農業改革は [農村だより2013]

11月6日(水)午前

 連日の報道で、農業分野の改革が来年度から始まるようですが、菅官房長官の会見記事を読んでいると、どうも農業に対する危機感に致命的なズレを感じます。

 TPP以前に、日本のコメ農業が崩壊する、という危機感は正しい認識のように聞こえますが、それに対する政策の内容とタイミングが悪すぎる。崩壊する農業を食い止めるべく打つ施策が、実は二度と立て直せないカタチで、崩壊するコメ農家を崖から突き落とすことになりそうです。

 企業や若い世代が農業分野に参入するように誘導すると言っていますが、やったことのない人間がいきなりできるわけがないので、豊富な経験や知見を有するベテランの人材がいるうちに、トレーニングをしなければなりません。

 しかし、来年から戸別所得補償がなくなり、減反も5年以内を目途に廃止する、ということが見えてくると、現役で米作りをしている高齢農家は一気に辞めてしまいます。今後コメの価格が上がる可能性はゼロとみるべきで、そうするとやめるのが先になります。大規模営農に集約する前に、農業のインフラ自体が崩壊してしまいます。

 そのタイミングのズレは官邸ではわからないでしょうね。我々のような現場にいなければ。最悪の事態が来年から起こりますよ。すでに農家では、早く辞めた方がいいと言い始めました。残った農家が損をする。こんなのありですか。でも無理でしょうね。もう持ちこたえる気力も体力も中山間地の農村には残っていない。
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ペレットストーブ [農村だより2013]

10月31日(木)午前

 会社事務所にペレットストーブが設置されました。毎朝6時に事務所に出ますが、朝一番の仕事がペレットストーブの灰の始末と着火です。早朝の外気温が7度ですから、暖房が必要な季節になりました。

 以前からペレットストーブのことは知っていましたが、昨年、糸魚川市内にペレット生産工場ができてから、いつか使いたいなあと思っていました。ストーブ自体は高価なものですが、燃料を地元の木材資源で賄うことができますので、海外の石油資源に頼ることなく生活ができたら最高です。

 石油ファンヒーターは安価で効率的な暖房器具ですが、二酸化炭素を排出しますし、灯油の値段がどんどん上がって、必ずしも安いとは言えなくなりました。ペレット燃料はゼロエミッションですし、すでに灯油より安い価格になっているので、長い目で見ればストーブ本体の価格の高さは問題ないと思います。

 さらには、ペレットストーブの普及を図るために、糸魚川市も補助金を出しています。個人も法人もOKで、設置費用の3分の1まで助成金が出ます。地元の林業を維持し、山を管理していくことにも間接的に貢献できれば言うことなしです。

 弊社でも灯油のボイラーを使って酒造りをしていますが、将来的にはペレットボイラーへ転換していく予定です。地元で米を作り、酒造りをしていますが、燃料まで地元で賄えるようになれば最高です。これからの楽しみにして、いまは事務所のペレットストーブの揺らめく炎をながめて身体を温めています。
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雨飾山に初雪 [農村だより2013]

10月19日(土)午前

 昨日、根知谷の奥にある雨飾山(標高1962m)に初雪が降りました。遠く白馬の山々を見れば、すでに真っ白で冬景色です。ついこの間10月9日には、35.1℃の猛暑日を記録し、10月の最高気温となったんですが、この落差は大変です。もっとも、我々にとっては来週21日から酒造りが始まりますので、冷え込んでくれる方が仕事はやりやすい。

 10月1日から精米が始まりました。五百万石の精米が順調に進んでいます。11日には越淡麗の等級検査があり、全量1等米の格付けとなりました。特等米が出なかったのは残念ですが、青未熟米が若干あったためで、全般に粒張りは良く、胴割れも皆無。安定感のある1等米です。五百万石があまりにも良かったために、越淡麗が見劣りする感じですが、まったく贅沢な感想です。

 酒造好適米は、その品種特性によって、お酒になった時の味わいが違います。更には熟成の仕方も違いますので、非常に奥の深い楽しみがあります。一般的には、酵母や麹菌を使い分けて、様々なタイプのお酒を造り出していますが、そうした技術を駆使する前に、酒造好適米の品種特性を生かす設計思想があってもいいですね。

 今はまだ動き出したばかりですが、やっと酒造メーカー原料米の生産現場(農業、米作り、農村)に目を向け始めました。「米」が大事なんだという意識が芽生え始めています。いいことですね。私が待ち望んでいたことです。これを確かなものとするために、あらゆる関係者が手を携えて具体的な行動を起こさなければなりません。

 ささやかですが、私も根知谷の地域営農が持続できるように最善を尽くします。21日から酒造りが始まると、3月までは厳しい拘束状態になりますので、若干外の世界とは遠のきます。雨飾山の雪を見て、また雪との闘いが始まるのだと身が引き締まりますが、近年では最高品質の酒米で仕込みができることを幸せに思います。
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2013年産米の収穫を終えて [農村だより2013]

10月3日(木)午前

 一昨日、10月1日に今年の稲刈りをすべて終えました。そして、今日3日には最後の調製が終わります。早生品種の五百万石については、過去最高の品種となり、収穫量も平年作を上回りました。特筆すべきは「特等米」比率ですが、実に16%を超え、残りもすべて1等米でしたが、特等に近いレベルのもので、全般的に粒ぞろいのいい米でした。

 越淡麗については、今日の夕方までに収穫量が確定し、今月11日の等級検査で格付けが決まります。昨年に比べれば、収穫期の天候に問題はなく、胴割れや胴ヒビの発生はありません。若干青未熟米はみられますが、まずまずの品質だと思っています。

 振り返ってみれば、2013年も特徴的な天候でした。寒い春、乾いた大陸の空気に覆われて前半戦は生育が遅れ気味で心配しましたが、空梅雨で一気に高温となり、生育は挽回しました。しかし、また猛暑にみまわれ、品質の低下が懸念されましが、昨年と違い、ピンポイントでどさっと雨が降りました。8月初旬に降った雨が今年のコメの品質に重要な役割を果たしたのではないかと思います。

 収穫期に入ろうかという9月初めに雨が続いて、稲刈りの開始が遅れましたが、ある意味でいいクールダウンになったのでしょう。五百万石の稲刈りは、晴れ間に短期集中して作業をやりましたが、結果として最高レベルのコメを収穫できました。

 後半の越淡麗については、登熟が後ずれした感じがしました。天候を見ていると、早生品種は収穫期が若干早まった感じですが、晩生の品種については、あまり猛暑の影響がなかったようです。何れにしても、2013年は特筆すべき当たり年といえます。近年では2008年が完ぺきな年でしたが、これほどの特等米は出ていません。恐らく醸造してみれば、2008年とは違うニュアンスの酒になるでしょうが、大変楽しみです。

 再三書いていることですが、今年の稲刈りをみていて、スタッフの機械操作がうまくなったのには、ほんとうに感心しています。周囲のベテラン農家も認める技量を身に着けました。変わりやすい秋の天気の下では、1分1秒のロスが全体に大きく影響します。限られた時間の中で、難しい条件の田んぼを次々に攻略していく段取りの良さと、機械操作のうまさ。もう私の出る幕はないようです。うれしいですね、彼らの時代です。
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「日本酒基本ブック」の注目点 [農村だより2013]

9月28日(土)午前

 台風20号の影響も最小限ですみました。昨日から快晴で、今日も絶好の稲刈り日和です。いよいよ越淡麗の稲刈りですが、この晩生の品種は非常に栽培が難しく、品質の高い米を収穫するにはかなり神経を使います。しかし、酒にしたときのその良さといったら格別ですから、何としてもいい米を作りたいと思ってしまいます。

 さて、つい先日ですが、㈱美術出版社から別冊「ワイナート」10月号として、「日本酒基本ブック」(Basic Lesson of Sake)が発刊されました。弊社へも7月初旬に取材に来られ、p70に掲載して頂きました。

 巻頭特集が「いま、純米の時代」で、第一章が「米から作る酒」です。時代の変化を感じますね。内容が豊かで写真がきれいな冊子ですが、今までの日本酒ブックには無い視点がそこにはあります。酒造好適米の品種に注目し、さらにその生産現場に足を運ぶ。

 こんな取材は今までの日本酒ジャーナリズムには見られませんでした。そして、酒蔵の立場からのコメントも、地元の米作り(農業)との共生をめざす姿勢が鮮明になってきています。

 従来の酒造技術に依拠する価値観が、原料米やその生産地・生産者へと、より広く深い価値観に変わりつつある証拠として、この冊子はエポックとなるかもしれません。時代は変わりつつある。やっと日本酒の本質的な価値が日の目を見る時代が始まるのだと、私にはうれしい知らせでした。
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「里山資本主義」を読んで [農村だより2013]

9月15日(日)午前

 今日は台風18号の影響で明け方から小雨が降っています。太平洋側は荒れ模様でしょうが、稲刈りの最盛期を迎えていますので、農家にとっては非常にいやな天気です。今年は8月の終わりから雨の日が多くて、稲刈りのコンディションはあまりよくありません。

 そんな中で、私たちの五百万石の稲刈りは自社栽培、契約栽培ともに無事終了しました。天気を正確に読みながら、ピンポイントで的確に作業を行ないました。十分に余裕のある機械力、設備力のお蔭ですが、それよりも頼もしいのはスタッフの成長です。リーダーの判断力、決断力と、スタッフの連係プレーがまた一段上のステージに上がったようです。

 先日、知人のH氏から紹介された書籍を読みました。「里山資本主義」 藻谷浩介、NHK広島取材班、角川ONEテーマ21 です。非常に刺激的な内容で、考えるヒントがたくさんあります。

 「マネー資本主義」の行き詰まりをどう解決していくのか。我々のように高齢化と過疎化が急速に進んでいる地方の問題をどう解決していくのか。

 私は、無いものねだりをするのではなく、自分たちの持てるものを如何に生かすか、という考え方で酒造りを再構築しようと考え、30代の10年間は自社スタッフのみで酒造りができる体制をつくり、40代の10年間で米作りまで自社栽培でやろうと決めて取り組みました。

 中山間地で生きていくにはどうするか。不思議とこの「里山資本主義」に書かれている概念が重なります。いい本ですね。多くの皆さんに読んで頂きたいと思います。もうすでにベストセラーなんでしょうが。
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