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8月18日の衝撃 [根知だより2014]

8月25日(月)午前

 ちょうど一週間前に全農にいがた県本部が、本年産米の農家への仮渡し価格を決定しました。新聞報道は翌19日の朝刊でしたが、その内容があまりに衝撃的で、こうして文章にするまでに時間がかかりました。

 詳細の価格については触れませんが、2年続けての大幅な引き下げで、米農家がもはやこれ以上営農を続けることができないのではないかと思うほどの価格水準です。

 高齢で後継者のいない農家はやめ時です。実際に近隣の農家が今年でやめると言っています。それも一軒や二軒ではありません。地域の営農が崩壊するかもしれない、そんな不安な気持ちになるのは私だけでしょうか。

 誰がどう考えても赤字になるのがわかっていて、米作りを続けたり、規模を拡大するわけがない。今までは年金をつぎ込んでまで先祖伝来の農地を守ってきたけれど、もうこれ以上は無理だと踏ん切りがつく状況になりました。

 まだまだやる気のある米農家は存在しますので、今後の展開はよくわかりませんが、相当に混乱してくることが予想されます。願わくば優良農地が少しでも多く残り、高品質米の生産が可能な農家が生き残りますように。私たちは自分にできることを精一杯やり続けます。
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台風11号の影響は [根知だより2014]

8月14日(木)午前

 お盆で田舎はお墓参りの帰省客があふれています。いいことですね、日本という国は先祖の墓参りが国民的な一大行事です。

 さて、甲子園の高校野球も9日の開会式が二日順延となりましたが、その原因となった台風11号。西日本を中心に広い範囲に被害をもたらしました。被災された皆様方には心よりお見舞い申し上げます。私たちの根知谷では、豪雨は一時的なもので、強い風が吹いたのが特徴的でした。

 8日から10日にかけての3日間、台風11号の風雨が稲に与えたダメージはどれくらいだったのか。五百万石については、ほとんど影響は見られませんでした。越淡麗は出穂期の中盤に当たり、この強い風はとてもいやな風でした。稲はじっと風が止むのを待つものですが、実際どうなっているのか、これから注意して見なければなりません。

 糸魚川の海岸から近い平野部では、今回の強風によるシラホ(白穂)が散見されます。稲穂が死んでしまった部分が白化してしまう現象です。被害が出た田んぼの収穫量は確実に減少してしまいます。自然現象なので、人間の努力の及ぶところではありません。農家にとっては、逃れることのできない宿命のようなものです。ほかの地域のこととはいえ、改めて強風にさらされにくい根知谷の地形に感謝します。
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NVAR2013 [根知だより2014]

8月5日(火)午前

 去る7月25日に東京都内で 「Nechi 2013 Vintage Announcement Reception 」を催しました。「Nechi 」ブランドを立ち上げて8年目にして初めての試みです。

 当日はイタリアンレストランに三十数名をご招待して、美味しいお料理を楽しみながら、2013年のヴィンテージ6アイテムを味わって頂きました。ご招待のお客様だけのために作成したパンフレット、そして私の説明、メインゲストであるサム・ハロップMWのコメント、2時間のレセプションはあっという間に終わりました。

 日本酒の世界にもこういう会があるんだと、ほんとうはもっと多くの皆さんにお知らせしたいところでしたが、何と言っても私自身初めての経験でしたので、多くの関係者にご協力を頂いてどうにか無事に開催することができたというのが実態です。

 根知谷という限定された地域で、米作りから酒造りまですべての工程を手掛け、生産年、品質まで明示して単一品種で醸造する。瓶内熟成したものをそのまま出荷し、お客様にヴィンテージごとに違いがあることを楽しんで頂く。そんなコンセプトが日本酒の世界に成立することを証明したいと思っていましたが、一歩ずつ前進しています。

 何といっても心強いのは、レセプションに駆けつけて下さったマスター・オブ・ワイン(MW)のサム・ハロップ氏です。そして、大橋健一氏。これからどれほど日本酒が世界の市場で評価されていくのか、多くの業界関係者が強力に日本酒をサポートしてくれていることに感銘を覚えました。

 当日ご臨席を賜った皆様方はもちろんのこと、レセプション開催までにご協力頂いた皆様に厚く御礼を申し上げます。さて、田んぼでは五百万石の稲穂が垂れ始めました。越淡麗はこれから出穂期です。2014年産の稲刈りが迫ってきました。今年もがんばります。
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穂肥の時期 [根知だより2014]

7月19日(土)午前

 2014年の春からここまでを振り返ると、4月から6月は雨が少なく、大陸から乾いた冷たい空気が流れ込む、昨年とよく似た天候でした。7月に入ってからは、逆に雨が多くなり、梅雨らしい日が続き、気温もやや低めで推移しています。

 田んぼでは、五百万石の2回目の穂肥、越淡麗の1回目の穂肥が終わったところです。生育状況はやや早めの出穂が予想されています。稲の姿は、草丈がやや短く、茎数がやや多めと見られ、安定感のあるいい姿です。若干、弱小分げつが見られるところが、収穫期にどの程度影響するのか、気になりますが、全般的には2013年産に続いて、高品質米が期待されます。

 穂肥については、過去にも何回か書いていますが、穂肥の撒くタイミングと投入量は、品質と収量に大きく影響するので、農家の栽培管理技術が試される重要な場面になります。

 基本的な判断基準は、多くの農家が共有していますが、個々の田んぼの条件が違いますので、的確な見極めが求められ、これがなかなか難しいことです。しかも、我々のようにある程度大規模になると、田んぼの枚数も多くなり、きめ細かくベストのタイミングで穂肥を打つのが難しくなります。雨の多い時期なので、天候の変化を読みながら、作業を進める必要があり、総合的に判断しなければなりません。

 基本は、穂肥を2回に分けて施用します。分施栽培法と言いますが、五百万石は出穂20日前に1回目、12日前に2回目を。越淡麗は出穂18日前に1回目、10日前に2回目を施用します。

 田んぼごとに、微妙に耕土の厚さや土壌成分が違い、人間の目による判断で、穂肥の撒く量が違います。こればかりは当事者でないとわかりません。何れにしても、収穫前の最終段階がこの穂肥になりますので、今の時期、米作り農家は毎日慎重に稲を観察しています。
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カリフォルニア米 [根知だより2014]

6月22日(日)午後

 先週カリフォルニアに行って来ました。19日午後帰国して、ようやく時差ボケが解消したところです。「百聞は一見にしかず」とはよく言ったもので、果てしないアーモンド畑、オリーブ畑、そしてカリフォルニア米の田んぼを見てきました。もちろん、ナパ・バレーも。

 某大手米穀会社にもアポイントをとってもらい、精米工場や田んぼを見せてもらいました。分析室では、試食用に炊いたご飯も頂いて、2時間余りの間に、彼らアメリカの米穀会社の丁寧な対応と説明に感心したところです。

 結論から言うと、TPP交渉で、米の関税を撤廃すると、かなり強烈にカリフォルニア米は日本の市場に食い込んでくると思います。まずは、その米がそこそこうまい。そして、品質管理が行き届いている。コストが安い。ちょうど行ったとき、小型飛行機で種もみを播いていました。農業用水が豊富で、安定した気候、昼と夜の温度差がハッキリとしていて、デンプンの生産と転流というメカニズムが円滑に進む環境です。

 もっとも、私が視察に訪れた会社は、米国でもトップクラスの品質管理をしているそうで、精米から出荷までのプラントは、すべて日本の専門メーカーのものを使っていました。日本における食味コンテストでも常に上位にランクインしているそうで、そんな資料も見せていました。

 ひとつだけ、日本の米の流通プロセスが劣っているなあと痛感させららたことは、向こうが玄米を「もみ貯蔵」していることです。日本はすべてもみ殻をはずした「玄米」の状態で貯蔵します。消費される直前までもみ貯蔵されたコメは、間違いなく玄米貯蔵されたコメよりもうまい。

 そういうことです。
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Annual Vintage Report 2013 [根知だより2014]

5月31日(土)午後

 一昨日から季節外れの高温状態になっています。全国的に7月中旬から下旬の気温で、根知谷も28℃くらいまで上がっています。毎日田んぼの畦畔の草刈りをしていますが、さすがに疲労感ありで、回復に時間がかかっています。

 田植えの後半戦も26日から28日まで、予定通りに作業が行われ、無事に終了しました。ちょうどいい気温と日照条件の下、越淡麗はいい田植えができました。いきなりの高温状態で大丈夫かと思いますが、田んぼの中は快適です。泥の温度はうすら冷たい感じで、人間の体感温度や気象庁のデータとは違うのが稲の感触です。

 毎年書いていることですが、田植えがすべて終わった「植え上げ」というのは、ホッとするものです。スタッフへの労いは、お祝いのお酒1本ずつ渡すだけですが、これも恒例の節目の酒。田植え機の片づけや、育苗ハウスの撤去。さらには畦畔の草刈りと、作業は盛りだくさんです。

 今年はエルニーニョ現象で、冷夏になるかもしれないとのことですが、さて根知谷の2014年産米はどうなるでしょうか。2013年産米で醸造したお酒については、ビンテージの発表会を企画しています。初めてのことで、資料の整理だけでも大変ですが、昨年の気温・日照・降雨量などの基礎データや、土壌分析データに基づく産出米についての性向など、日本酒の世界では恐らく前例がないだろうと思われることを7月下旬に東京でやる予定です。

 日本酒における「原料米」や「産地」そして「栽培管理技術」に光を当てる活動は、今のところ未知の領域ですが、徐々に関心が高まることになるでしょう。不思議なことに、すでに外国から強い関心が寄せられ、根知谷へ酒蔵ツアーを企画する動きが本格的に始まっています。

 楽しみです、まずはAnnual Vintage Report 2013 を私自身が体験してみます。
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五百万石の田植えを終えて [根知だより2014]

5月20日(火)午前

 2014年産米の田植えが続いています。5月15日から17日までの3日間で、自社栽培の五百万石をすべて植えました。契約農家も同時期に無事作業終了となりました。種まきの日程は、この5月15日を田植えの目標としていましたので、予定通りといえばその通りですが、天候がどうなるかわからない中での工程なので、まずはひと安心といったところです。

 今週からは越淡麗の田植え準備で、代かきを始めます。以前にも書きましたが、育苗方法の違いによって、育成日数がかわります。越淡麗の苗は、中苗(ちゅうびょう)といって少し大きめの苗にしてから田植えをしますので、育苗に6週間程度かかります。なので、田植えは5月下旬になります。

 五百万石は稚苗(ちびょう)といって、4週間程度で小さ目の苗の状態で田植をしますので、5月中旬には田植えが終わります。育苗方法の違いを利用して、作業の集中を避け、なるべくスタッフの負担を軽減するように工夫しています。

 2014年の春、五百万石の田植えまでを整理すると、雨の少ない、風の強い、天気が変わりやすく安定しない日が多い感じです。昨年同様に大陸の乾いた冷たい風が吹き、尚且つ、突発的に暑い日があったりして、ちょっと神経質な春です。

 冬の降雪量が少なかったにも拘わらず、駒ケ岳・雨飾山の雪融けが例年より遅いのは、やはり気温が低いせいでしょう。今後の気温の経過がどうなるか、日照、降雨量も含めて、注意深く見守っていきます。取りあえずは、丈夫な苗をつくっていますので、暑さにも寒さにも耐えてくれるものと信じています。
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「資本主義の終焉と歴史の危機」を読んで [根知だより2014]

5月5日(月)午前

 世の中は連休中ですが、農業に携わる者にとっては、あまり関係ありません。今日は小雨がちですが、田植え前の代かきにスタッフは朝から作業にかかっています。2014年の春は、昨年に続いて乾いた空気に覆われ、やや低温傾向です。しかし、不思議に苗の伸びは早くて、田植えのタイミングは少し早まりそうです。

 先月、新聞の書評欄にあった本を読みました。「資本主義の終焉と歴史の危機」水野和夫著、集英社新書、2014年4月9日第二刷発行。経済のプロの中にも冷静に、客観的に書く人もいるんだと感心しました。ご本人は自身のことを「変人」と呼ばれることを覚悟しているようですが、それ自体皮肉でしょう。

 非常に平易に解説してくれていますので、普通に今のアベノミクスの間違いもわかりますし、今後の展開も予想がつきます。大きな時代の転換期にあたり、我々がどう行動すべきか、それぞれの立場で考えるべきことですが、著者のあとがきにあることばが示唆に富んでいます。これからは「よりゆっくり、より近くへ、より曖昧に」、「脱成長という成長」。

 毎日田んぼで仕事をしていて、草刈りしていると、脚が痛くなりますが、農業にはもともと「経済成長」や「利潤の最大化」なんて関係ない世界だから、土地に無理を掛けず、人間に過重な負担にならないように米作りをすることを誠実にやるだけだなあ。そして、また酒を造る。
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理事長の退任 [根知だより2014]

4月24日(木)午前

 一昨日、糸魚川市土地改良区理事長を2期8年勤められた高橋さんの退任を祝う会に参加しました。根知谷の大先輩です。ここ数年は、私たち根知ライスファームの営農規模も大きくなり、いろいろな面でお世話になり、ご指導を頂いてきましたので、心より御礼を申し上げますとともに、これからもどうぞよろしくお願いします、とお伝えしてきました。

 土地改良事業というのは、農地の維持管理には欠かせないもので、特に水田は農業用水路の管理に多大な費用と労力が必要です。農林水産省が各自治体に「土地改良区」という役所を置いて、管理業務を行っていますが、理事長、そして各分区の理事は、その地元から人材を出して運営されています。

 農地というのは、その土地、その地域、その地域に住む住民のことを熟知して、しかも信頼されている人材が代表者となって、土地改良区へ出ていき、いろいろな面で国と地元農家との調整をすることによって維持管理されています。土地改良区の理事長や理事さんたちは、いわば縁の下の力持ち、黒子的な役回りを果たしていますが、一般の農家にはなかなかその苦労がわかりません。

 苦情なり不満なりをぶつける農家はありますが、土地改良事業に対する理解や感謝の表明は、なかなか聞く機会はありません。ほんとうに大変な役を長年(土地改良関係で通算30年超)務められた高橋さんには、一農家として感謝の気持ちでいっぱいです。

 祝う会では、根知谷の重鎮・諸先輩がご参集でしたが、改めて先人の労苦を思いました。これからどうするのか、我々の世代がよくよく鍛錬していかなければなりません。根知谷の農地を守るために。
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皆造(かいぞう) [根知だより2014]

4月12日(土)午後

 今日は地元の根小屋集落では、十二社春季祭礼が執り行われました。秋のような賑やかなお祭りではなく、神主さんの祝詞奏上のみの厳かな祭礼です。天気は快晴、日差しは強いですが、空気は冷たくて乾燥しています。日陰に入れば寒い感じです。

 酒蔵の中では、一昨日10日に最後のもろみを搾りました。これで無事に皆造(かいぞう)です。生原酒の火入れ作業はまだ続きますが、仕込みタンクはこれですべて空になりました。甑倒しに次ぐ大きな節目でした。機械設備が昔より格段に良くなった時代ですが、製造スタッフが全員無事で、大きなトラブルもなく6か月間の長丁場を終えるのは、そう容易いことではありません。スタッフはもちろん、すべての関係者に感謝致します。

 ひと足先に農業部門に移り苗つくりの作業を始めたスタッフ3名も、計画通りに進んでいます。今年は積雪が少なかったお蔭で、育苗ハウスの組み立ても終わり、今はプール育苗の準備に入っています。2014年産米は、どんな気候の下で実るのでしょうか。エルニーニョ現象が報道されていますので、冷夏が心配ですが、まずは健康で丈夫な苗つくりをします。
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